「バラを持つ手」は典型的な19世紀のロマンチシズムの代表的なモチーフです。
バラを持つ手には「友情」、すずらんには「幸福」、忘れな草、リボンの花束には「私を忘れないで」といったメッセージが込められています。
流れるようにしなやかな指や、花びらの一枚一枚がデリケートに美しく表現されたバラの花など、どこを見ても呆れるほど素晴らしい技術力と表現力が集積した作品です。
ややデフォルメされた長い手と指は、身に着けた時に美しく見えるように計算されたデザインです。
この「フリードリッヒ・ハーツマン」デザインによる『バラを持つ手』は、人々に好まれ多く制作されたモチーフですが、その中でもこの作品は特に優れた作品といえます。

19世紀中期〜後期

ドイツ or スイス