中心にアーモンド型にカットしたオパールを配し、上部両脇にエメラルドで三つ葉のクローバー、トップには3石のルビーでお花を現したデザイン。
そして、両脇にはダイヤモンドを配した2本の曲線が絡まりながら、リングのフープに伸びています。
これだけ幾つかの素材を使ってリングという小さな物を作れば、現代の作品であればいかにも大げさで、余計な物が目立ってしまうことでしょうが、この作品はとても軽やかで、自然なラインが美しく表現されています。
その辺がアール・ヌーボーの装飾としての素晴らしいところで、このリングも立体的に複雑にデザインされているのに、全体が指にうまくフィットする、巧みな仕上がりです。
身に付けた時には、素晴らしく美しく、驚くほどの存在感を示しています。
見事というほかありません。

1900年頃

フランス